はじめに
在宅介護や自宅療養を続けているご家族にとって、日々の体調管理は大きな負担になります。「このまま様子を見てもいいのか」「病院へ行くべきなのか」「看護師を呼ぶほどの状態なのか」──多くのご家族が、こうした悩みを抱えながら介護を続けています。
特に高齢者や持病のある方は、体調変化がゆるやかに現れることがあり、家族が異変に気づくタイミングがその後の健康状態に大きく影響することも少なくありません。
そこで本記事では、在宅介護を行う家族が 「看護師を呼ぶタイミング」 をわかりやすく判断できるように、医学的な視点と在宅ケアの現場で実際に使われている判断基準をまとめました。
また、訪問看護だけでは補いきれない場面に対応できる プライベートナースの活用方法 についても詳しく解説します。
家族自身の負担を軽減し、安心して介護を続けるための知識としてぜひ活用ください。
1.看護師を呼ぶタイミングは「普段と違う」サインを察知したとき
在宅介護では、医療者が毎日そばにいるわけではありません。
だからこそ、家族が「いつもとの違い」にいち早く気づくことが大切です。
▼ 小さな変化でも“重大なサイン”であることが多い
- なんとなくぼんやりしている
- 立ち上がりが遅い
- 食欲が落ちた
- 顔色が悪い
- 元気がなく話さない
- 水分量が減っている
- 排尿・排便のリズムが乱れている
- 咳が増えた
- 呼吸が浅い
これらは体調悪化の前触れであることが多く、看護師が早い段階でケアすることで、病院受診や入院を避けられたケースも多く存在します。
2.具体的に「看護師を呼ぶべき状態」を詳しく解説
ここからはより専門的に、判断が難しい場面を詳しく解説していきます。
家族でも判断しやすいよう、根拠と対処法も含めて説明します。
① 発熱・脱水・感染の疑いがあるとき
高齢者は少しの変化でも重症化しやすく、感染症は特に注意が必要です。
▼ 看護師を呼ぶべき症状
- 37.5℃以上の発熱が半日以上続く
- 体が熱いのに手足が冷たい
- 急にぐったりしている
- 水分摂取が激減している
- 尿の色が濃い、量が極端に少ない
- 下痢や嘔吐が続く
特に脱水は急激に悪化しやすく、点滴や補液が必要になる場合があります。
家庭だけで判断すると危険なケースが多いため、早めの看護師判断が重要です。
② 呼吸・循環に関する異常
呼吸状態の変化は、在宅で最も見逃してはいけないポイントです。
▼ 注意すべきサイン
- 呼吸が早い、浅い
- 「苦しい」と訴える
- ゼーゼー・ヒューヒューと音がする
- 顔色が悪い、唇が紫
- 胸が痛い
特に酸素療法中の方は、
- SpO₂が90%以下が続く
- 呼吸回数が毎分30回以上
などの場合、すぐに看護師へ連絡すべきです。
③ 意識レベルの変化
意識の異常は重大な病気のサインです。
▼ 見逃してはいけない症状
- 眠りがちで起きていられない
- 呼びかけに対する反応が鈍い
- 会話が噛み合わない
- 時間や場所がわからなくなる
脳梗塞、感染症、低血糖など多くの原因が考えられるため、看護師判断が必要です。
④ 食事が取れない・誤嚥の疑い
食べられない状態が続くことは命に関わります。
▼ 呼ぶべきタイミング
- 食事量が急に半分以下になった
- 水分も摂れない
- むせが増えた
- 飲み込みが弱くなった
- 食後に発熱がある(誤嚥性肺炎のサイン)
嚥下機能の評価や、食事形態の変更をします。
⑤ 排泄トラブル
排泄の異常は感染や脱水、内臓の異常のサインです。
▼ 呼ぶべき症状
- 血尿
- 尿の濁り・悪臭
- 排尿ができていない
- 便秘が数日続く
- 激しい下痢が続く
排泄トラブルは状態悪化が早いため、看護師による観察が重要です。
⑥ 皮膚トラブル
肌トラブルは放置すると悪化しやすいです。
▼ 注意すべき状態
- 座りっぱなしで赤くなっている
- 床ずれの初期サイン
- かきむしりがひどい
- 発疹や水ぶくれ
早期に気づけば軽症で済むケースが多いです。
3.「家族が疲れたとき」も看護師を呼ぶべき大切なタイミング
ここは非常に重要なポイントです。
介護を続けている家族の多くが、限界まで頑張ってしまいます。
▼ こんな状態は“危険サイン”
- 夜間の見守りが続いて眠れない
- 仕事や家事と介護の両立で疲弊している
- 医療ケアに不安がある
- 1人で抱え込んでいる
- 誰かに一時的に代わってほしい
- 気持ちが落ち込んでいる
介護者が倒れてしまうと、介護そのものが続けられなくなります。
そのため、**家族の休息(レスパイトケア)はとても重要な“看護師を呼ぶ理由”**です。
プライベートナースは、
・長時間の見守り
・夜間の滞在
・1日付き添い
など柔軟に対応できるため、家族の負担軽減に最適です。
4.判断に迷ったときのチェックリスト
□ 体調
- 顔色が悪い
- 息が苦しそう
- 食事が取れない
- 発熱・下痢・嘔吐
- 意識がぼんやりしている
□ 行動
- 動きがいつもと違う
- 反応が遅い
- 会話が弱い
□ 医療ケア
- 在宅酸素・吸引・点滴に不安がある
- 服薬管理が難しい
□ 家族の状態
- 疲れがピーク
- 一時的に休みたい
- 家を空けたい用事がある
ひとつでも当てはまれば看護師を呼ぶべき状態です。
5.訪問看護とプライベートナースの違い
家族が迷いやすいポイントでもあります。
▼ 訪問看護
- 医療保険・介護保険を使って利用
- 週◯回など回数が決まっている
- 利用時間は短め(20〜60分ほど)
- 病状管理・医療処置が中心
▼ プライベートナース
- 自費で利用
- 必要な時間だけ滞在できる
- 夜間・長時間も可能
- 日常生活のサポートも柔軟
- 病院受診・外出の同行も可能
- 冠婚葬祭の同行など特殊な依頼にも対応
訪問看護の“隙間”を埋める役割として利用されるご家庭も多く
「訪問看護+プライベートナース」は非常に相性の良い組み合わせです。
6.プライベートナースを呼ぶメリット
① 1対1で安心した見守り
常にそばで観察し、異変をいち早く発見できます。
② 医療的ケアが可能
吸引・点滴・バルーン管理・血糖測定など病院と同じレベルの安全管理。
③ 家族が安心して休める
睡眠不足やストレスを改善し、介護を続ける力が戻ります。
④ 外出や病院受診の付き添い
長時間の移動も安心して可能に。
⑤ 冠婚葬祭・旅行にも同行
「参加できない」を「参加できる」に変えるサポート。
7.看護師を呼ぶタイミングは“早め”が鉄則
体調の異変は突然悪化することがあります。
在宅介護では「様子を見る」が最も危険です。
▼ 早めに看護師へ相談するメリット
- 重症化を防げる
- 家族の不安が減る
- 病院受診の判断が正しくなる
- 本人の苦痛が軽減される
- 介護者の負担が軽くなる
早めの相談が、大きな安心につながります。
まとめ
在宅介護において、看護師を呼ぶタイミングは「体調のサイン」だけではありません。
家族の疲れや不安が強くなったときこそ、看護師が必要なタイミングです。
発熱、呼吸の異常、意識の変化、食事摂取不良、排泄トラブル、皮膚トラブル──これらは早急に看護師が観察・判断すべき状態です。また、介護者自身が疲労や不安を感じている場合、プライベートナースを利用することで時間的・精神的なゆとりを得られ、在宅介護を継続しやすくなります。
訪問看護とプライベートナースを組み合わせれば、24時間体制に近い安心が得られ、病院レベルのケアをご自宅で受けることも可能です。
迷ったときこそ、早めに看護師へ相談することが、ご本人の健康にも、家族の生活にも大きなメリットとなります。
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